リンパ増殖性疾患とは、急性リンパ性白血病を除くリンパ球の増殖性疾患で、悪性リンパ腫、悪性新生物、感染症、膠原病、脂質代謝異常症などによる局在性あるいは全身性のリンパ節腫脹を呈する病態です。全身性の場合は、ウイルス性感染症、自己免疫疾患、白血病、悪性リンパ腫などを考え、局所性の場合は、局所炎症、がんの転移、結核などを考慮します。
リンパ増殖性疾患に特徴的な自覚症状はないのが普通です。診断は主に理学的所見と検査所見を見いだすことにあります。理学的所見としては、リンパ節腫脹、ときに脾腫の存在。リンパ増殖性疾患における脾腫は、感染性によるものより固く弾性硬ですが、巨大となることは少ないです。また、他のリンパ節腫脹を伴うことが多いです。検査所見は、末梢血の検査異常です。リンパ増殖性疾患を疑わせる血液検査所見は、リンパ球の増加や異型リンパ球の出現です。
一般にリンパ節の大きさは通常直径1cm以下です。これを超える場合はリンパ節腫脹と考えます。リンパ節の直径が3cmを超えると悪性の可能性が高いです。4~6週間以上持続しているリンパ節腫脹は生検の適応です。腫脹したリンパ節の性状を下表にまとめます。
悪性リンパ腫は、初期症状として頚部リンパ節腫脹を示すことが多いです。しかし悪性リンパ腫以外にもリンパ節腫脹を起こす疾患がさまざまあることは前述のとおりです。可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)が上昇する疾患は、悪性リンパ腫以外にも多数ありますが、これが2000 IU/L以上の場合は、悪性リンパ腫が強く疑われます。
リンパ節が腫脹する非腫瘍性疾患の代表的な疾患には次の4疾患があります。
・伝染性単核球症
・結核性リンパ節炎
・亜急性壊死性リンパ節炎(菊池病)
・IgG4関連多臓器リンパ増殖性疾患
(参考)
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